業務の属人化について、原因やリスク、改善する方法を説明します。

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会社で業務を行っている際に

「案件のサポートに入ろうとしたが、専門的な知識や技術が必要であったために技術共有するまでに時間がかかってしまった」
「業務対応の仕方が人それぞれ違うので、仕事の質がバラバラになることが多い」

といった経験をしたことがある人は少なくないのではないでしょうか。

上記のトラブルの大半は「業務の属人化」が原因です。そこで今回は業務の属人化について、原因やリスク、改善する方法などを解説します。

属人化とは?

属人化とは、特定の社員が担当する業務の詳細や進め方が、本人以外理解できていない、つまり特定の社員に依存してしまっている状況を指しています。

「担当がいないとできない・わからない」ということは、企業や組織において致命的な問題と言えます。

属人化の状態であっても、業務自体に何も問題が発生しなければ順調に進んでいるように見えるのも厄介です。

ある社員が異動や退職した後でイレギュラーな事態が起きると、他の社員では業務対応できないリスクがあるからです。

特に近年では働き方の変化や転職が増加しており、人材の流動性が高まっています。

このような背景から業務の属人化問題は注目されており、多くの民間企業が脱属人化に向けて様々な取り組みを始めるようになりました。

属人化してしまう3つの原因

業務に専門性が求められるため

業務規模が小さいからと専任者1人だけに任せてしまうと、そのまま同じ人物が継続して担当する場面が多いですよね。

その結果、特定の社員だけに業務経験の機会が集中します。専門的な知識や技術が必要な業務の場合、更に属人化の傾向が強くなります。

マニュアル化できないため

未経験や経験が浅い人でも「誰でも業務対応ができるマニュアル」があれば、業務の属人化は起きないでしょう。

しかし、マニュアルの作成は熟達した人物しか作ることが難しく、そのような社員は業務に忙殺しており、マニュアルを作る時間がありません。

社内における自分の地位を守るため

「この仕事を奪われると社内での立場がなくなってしまう・・・」と感じて、あえて属人化させておくケースもあります。

また、頼られると嬉しいと感じると、もっと頼ってほしい気持ちが強くなり、自分への依存度を高いことに問題意識を持てないこともあるようです。

自分の代わりが不在の方が都合がよく地位が安定しているため、現場による属人化の改善は難しくなります。

属人化のリスクについて

業務が停滞する恐れがある

業務を特定の社員に依存してしまうと、その社員が休んだり多忙だったりする場合に、業務が停滞する恐れがあります。

また、属人化状態の業務の引き継ぎは、十分できているかどうかの判断も難しく、前任者が急な退職や休職をしてしまうと、仕事自体がまったく回らなくなるリスクさえあります。

業務効率が低下する

属人化している業務は分業が難しく、何かトラブルが起きても担当者以外は対応できず、業務効率が一気に下がってしまう場合があります。

また、業務の見直しや業務改善しにくかったり、長時間労働や同じ作業を続けることによる生産性の低下につながる恐れもあります。

ミスや不正に気付きにくい

属人化している業務は、ミスや不正などが気づきにくいといったリスクもあります。

特定の社員しか介在しない業務は、適切な方法で業務が行われているかは分かりづらいので、上司や管理者などが確認できません。

また担当者が業務で失敗などをしてしまった場合、それを隠されると気づけなくなってしまう可能性もあります。

脱属人化する方法について

業務内容の可視化を行う

脱属人化する方法の一つとして、業務の流れ(ワークフロー)の可視化を行うことです。

まずは脱属人化したいと思っている業務の洗い出しから始めるとよいです。これらの業務をいつ、どこで、誰が、どのように遂行しているのか、内容や手順をきちんと見える化します。

業務の見える化をすることによって、どの業務がボトルネックになっているのか、特定箇所に集中している業務を分散できないか、あるいは業務の流れをシンプルにできないかなどの分析が可能になり、改善につなげることができます。

改善できるところ確認してると、実は二度手間になっている部分や無駄な工程などが見つかるかもしれません。省略できる部分は徹底的に見直して、最大限の効率化に努めましょう。

マニュアルを作成する

業務の流れを可視化することができたら、次に各業務のマニュアルを作成します。

最適化した業務をマニュアル化すれば、社員が誰でも簡単に業務をおこなえるようになります。

作成する際は業務内容を把握していない社員でも理解できるよう、業務の手順やノウハウ、注意点など、できるだけ詳細かつ具体的に言語化することが大切なポイントの一つです。

ただ、最初から完璧なマニュアルを作成しようとすると難しいので、最初は思いつく範囲内で作成し、運用しながら徐々に整備していくのがマニュアル作成のコツになるので頑張りましょう。

継続的な評価や改善を行う

脱属人化の取り組みは、ワークフローの可視化・見直し、マニュアル作成をして終わりではありません。

実際にマニュアルを使いながら業務を行なっていると、問題点や改善点が出てくる場合が多いからです。

マニュアルがあるからそれ通りにやってもらえば大丈夫と油断していると、トラブルや思わぬアクシデントが起きる場合があるので注意しましょう。

マニュアルを作成した業務でも実際に運用するなかで問題点や改善点が出てくるので、定期的に社員に意見をヒアリングしながら、適宜マニュアルの内容を見直し、アップデートをかけるようにしましょう。

一度設定した内容を更新して効果を検証する、いわゆるPDCAを回していくことが脱属人化するためには非常に重要です。

必要であればITツールなども導入して業務をシステム上で管理するなど、効率的な方法を探ることが脱属人化するために大事なことです。

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